大西の吹くころ

館山湾は春先になると、西からの暴風が吹き荒れます。
これを昔から「大西」と呼んでいます。
館山駅の西口の道路が栄えない原因のひとつが大西なのかな？
それだけ西風が強く吹くので、海沿いのマンションは窓を開けられなかったり、
イオンモールの駐車場では、バタンと風で車のドアが全開になって
隣の車を傷つけることもしばしば。。。

ぼくの祖父は大正8年、館山駅に最初に蒸気機関車で乗り入れた国鉄マンでした。
祖父は八幡で釣りをするのが好きで、幼かった父は
海岸までのうっそうとした松林の中を、お弁当を祖父に届けたそうです。
その松林が、シーサイドホテルの敷地内と、北条のコンビニの横に残っています。
大きな松の木がみんな海からの風で、左に寄ってしまっています。
コンビニの入口には、風除室が付いているでしょ。
そんな「大西」が吹くころになりましたね。

防風林

鴨川の
シーワールドのある道路です。

ここは
太平洋の風を受ける場所で、
防風林区域だったんでしょうね。
そこにホテルやシーワールド、
亀田病院が建ち並びました。
昔の人は防風林を
大事にしていたんですね。

館山にもコンビニの横と
シーサイドホテルの敷地に
背の高い防風林の一部が残っています。
父は祖父が釣りをする海まで弁当を持っていくときに、
薄暗い防風林を抜けるときが怖かったんだと言います。

館山には大西と呼ばれる西からの暴風が吹きます。
春先から吹いてきますが、もう防風林は切られてしまっているし、
イオンの駐車場では車のドアが風にあおられて。隣の車を傷つけたり、
降りようとする人のドアが暴風で閉められたりして怪我をする人もいます。
館山湾に面したマンションの人は、景色は最高ですが、
この大西のために海沿いの窓が開けられない日々があります。
でもそれがあって、館山に春がやってきます。
快適だけではなく、その地域には特別な事情もあるので、
「郷に入っては郷に従え」は知っておいた方がいいですね。

防風林

館山の北条海岸のコンビニの横に残る防風林のあとです。
今残っているのは、ここと、シーサイドホテルの庭くらいかなあ。
父が子供の頃は、祖父が釣りをしているところに、
弁当を持って行ってくれと頼まれて、うっそうとした
この松林を抜けていったそうですが、
海岸はいまは公園のように整備されていますね。