
中村屋のご主人、長束正実さんの談話。
私の親父が昭和2年、高梨肉屋さんがある所にパン屋を開店したので、写真に撮ろうと思って駅前付近からカメラをかまえて写したんだそうですよ。ところが、そのすぐ前に交番と憲兵の派出所というのがあって、早速その憲兵に写真を写しているところを取り押さえられてしまった。当時から要塞地帯だったんで、あまりおもてで写真を写してはいけないということになっていたのに、こっちは東京から来たばっかりで知らないで写真を写していたら、憲兵隊に怒られてフィルムを持っていかれた。
長須賀の知り合いが憲兵司令を退職して館山で暮らしていたそうです。
その人に憲兵隊からフィルムを取り下げて戴いた。写っている写真が1枚あるんですよ。
※当時の写真撮影が厳しかったのはどこかの国のようですね。
そういえば戦時中、列車が大房にさしかかると車窓のカーテンを閉めさせられたという話を聞いたことがあります。大房の砲台や施設の位置が分からないようになのかもしれませんね。