
大正4年の地図を見てみましょう。
館山の中心街が新宿~南町~仲町の道路だった頃、右に長須賀のクランクがあります。秋山虎𠮷さんは秋山酒屋さん。新宿の通りに「北条文庫」さんがありますね。
裁判所やブックオフのある道路はありません。鈴木菓子舗さんの前の道が東に向かっています。石原裕次郎の映画では、鈴木菓子舗さんの前からオートバイで向かってきた裕次郎さんが道なりにまっすぐ南高校の正門に入るシーンがありましたね。

書店は2軒となりに山下書店があり南町を左折すれば、前に記事に書いた松田兄弟書房(松田書店)がありますね。この中で、大正時代の「北條文庫」はどんな店だったのでしょうね。

大正8年に館山に鉄道がやってきて、商店が駅前に引っ越すのに合わせて、「北條文庫」も今の六軒町に移転しているようです。貴家医院があり、この時の北条小学校は、中央公園にありました。
なぜ、北條文庫に行ってみたいかですが、大正時代とはどんな時代かです。日露戦争に勝ち、第一次世界大戦で勝ち組となって好景気の中で大正デモクラシーが登場する。
文学では志賀直哉の白樺派、谷崎潤一郎や芥川龍之介の新思潮派、そして川端康成などが有名ですね。特に芥川龍之介の作品は、昭和の戦争の予感を感じていたかのような作風です。そんな世相にあって、北條文庫はどんな店だったのか興味がわきます。